優秀研究者表彰事業(ウエスコ財団優秀研究者賞)
ウエスコ財団優秀研究者賞は、当財団の研究活動費助成事業で実施した研究をもとに、学会等に論文として発表することで学術的に評価された研究実績を上げた研究者や、研究成果を実用化させるなど大きく社会に貢献・活用される功績を上げた研究者を表彰するものです。
対象となる研究者は、過去に当財団の研究活動費助成による研究を終了し、所定の報告書を当財団へ提出された方となります。
令和6年度ウエスコ財団優秀研究者賞 応募要領
対象となる研究者は、過去5年間(令和元年度から令和5年度まで)に、当財団の研究活動費助成(自然科学分野)による研究を終了し、所定の報告書を当財団へ提出された方です。
- 表彰内容
- ウエスコ財団優秀研究者賞…賞状、副賞(研究奨励金30万円):2件以内
- 応募資格
-
- 「学術的功績(論文)」で応募する場合は、以下の条件を全て満たす助成研究者
- (1) 岡山県内の研究機関に所属し、過去5年間(令和元年度から令和5年度まで)に当財団の研究活動費助成による研究を終了した研究者。但し、過去に学術的功績でウエスコ財団優秀研究者賞を受賞した研究者は応募対象外とする。
- (2) 研究成果報告書を当財団に提出済みである研究者。
- (3) 当財団の助成による研究成果報告書と関係の深い対外発表で、次の条件を満たす論文発表であること。
- ① 査読論文であること。(応募時点で査読が完了し論文誌への掲載が決定していれば、発刊前でも可。筆頭著者でない場合は、共著者として明記されていれば可。)
- ② 論文に当財団の助成を受けたことが明記されていること。
- (4) 受賞者は、当財団が2025年6月3日(火)に開催する表彰式に出席し、受賞講演が行えること。
- 「社会的功績(実用化等)」で応募する場合は、以下の条件を全て満たす助成研究者
- (1) 岡山県内の研究機関に所属し、過去5年間(令和元年度から令和5年度まで)に当財団の研究活動費助成による研究を終了した研究者。但し、過去に社会的功績でウエスコ財団優秀研究者賞を受賞した研究者は応募対象外とする。
- (2) 研究成果報告書を当財団に提出済みである研究者。
- (3) 当財団の助成による研究成果が実用化され、大きな成果を上げているもの
- (4) 受賞者は、当財団が2025年6月3日(火)に開催する表彰式に出席し、受賞講演が行えること。
- 応募期間
- 2024年11月1日~2024年12月20日
- 応募方法
- 応募は自薦とし、所定の申請書及び必要な添付資料を当財団事務局へ郵送して下さい。
- ウエスコ財団優秀研究者賞応募申請書
R06応募申請書
- 必要な添付資料は以下の通りです。
- 「学術的功績(論文)」で応募する場合は、応募資格1.(3)に該当する査読論文の写し(発刊前のものについては、掲載が決定したことを示す書類も添付すること)
- 「社会的功績(実用化等)」で応募する場合は、応募資格2.(3)に該当する研究成果が「実用化され大きな成果を上げている事」と関係することが分かる資料
尚、添付された資料は返却いたしませんので、ご了承ください。
- 審査対象書類
-
- 「学術的功績(論文)」での応募
- (1) 所定の申請書(様式-1、様式-2、様式-4、必要に応じて様式-5)
- (2) 学会等への査読論文(最大3件まで)
- (3) メディア掲載、プレスリリース等の記事
- 「社会的功績(実用化等)」での応募
- (1) 所定の申請書(様式-1、様式-3、様式-4)
- (2) 助成研究と実用化されている事との関係が分かる資料
- (3) メディア掲載、プレスリリース等の記事
- 両方の功績で応募の場合は、上記のすべて
- 選考方法
- 当財団の選考委員会において審査及び選考を行う。
- 選考結果
- 3月末までに応募者全員に通知する。
- 表彰式
- 2025年6月3日(火)に表彰式を開催し、賞状及び副賞を授与。
その後、受賞者は受賞講演を行う。
副賞の研究奨励金は、奨学寄附金として受賞者が所属する研究機関指定の納入方法により納付。
- 表彰者の公開
- 財団のホームページや財団が刊行する事業報告書に掲載。
- 応募書類の送付先
-
〒700-0033 岡山市北区島田本町2-5-35
公益財団法人ウエスコ学術振興財団 事務局
TEL 086-254-2140
FAX 086-253-2098
E-mail zaidan@wesco.co.jp
令和5年度ウエスコ財団優秀研究者賞
第8回目となる令和5年度ウエスコ財団優秀研究者賞は、以下の2名に決定しました。
- ① 山内 明
-
(川崎医科大学 生化学教室 教授)
【研究題目】「新しい細胞動態評価法でスクリーニングした抗腫瘍薬の応用」:平成30年度・令和元年度・2年度研究活動費助成事業
山内明氏は、生化学の研究者で、癌細胞の新しい細胞動態評価方法を確立し、得られたデータをもとに癌転移を抑える物質を特定する研究を行っています。その研究の中で、膵癌細胞の走化性を抑える化合物をスクリーニングし、マウスを用いた実験で腫瘍増大の抑制効果と転移抑制効果を確認しました。現在、研究成果の一部で特許を取得し、製薬会社とのマッチングを進めています。今後は、開発が遅れていた膵癌に対する抗腫瘍薬の実用化が期待されます。このような学術的な功績が評価されて、今回の受賞となりました。
- ②千住 洋介
-
(岡山大学 異分野基礎科学研究所 研究准教授)
【研究題目】 「アスガルド古細菌から紐解く細胞形態の制御機構の分子進化」:令和2年度研究活動費助成事業
千住洋介氏は、生物物理学の研究者で、真核生物に近い系統と考えられている、アスガルドと命名された新規古細菌に着目し研究を行っています。その研究の中で、アスガルド古細菌のいくつかのタンパク質を人工遺伝子合成し、タンパク質精製・結晶化に成功しました。さらに、精製したタンパク質の結晶構造を解き、機能を解明しました。今後は、分子進化から真核生物誕生の鍵を握る細胞膜ダイナミクスの起源の解明が期待されます。このような学術的な功績が評価されて、今回の受賞となりました。
令和5年度ウエスコ財団優秀研究者賞の表彰式と受賞者講演会は、2024年6月6日にANAクラウンプラザホテル岡山で行われ、表彰状とともに副賞(研究奨励金30万円)が山内明氏と千住洋介氏に贈呈されました。
- 左より山内氏・山地理事長・千住氏
その後、受賞者による講演会を行いました。
- 山内明氏の受賞講演
- 千住洋介氏の受賞講演
これまでの優秀研究者賞受賞者